自民党参議院徳島・高知選挙区の支部長に就任
24歳のときから20年、ひたすら地方の現場を駆け続けた大石宗が新たな挑戦を始めました。国政に目を向けたのです。地方を再生させるには国を立て直すしかない、その思いで創り上げたのが「日本列島改造論2025」です。地方再生に向け、燃える思いを政策に昇華させました。
考えの基本は「都市集中」から「地方分散」です。高度成長期以来、ヒト、モノ、カネはすさまじい勢いで地方から都市へと移転し続けました。膨れあがる都市も、過疎・高齢化が進む地方も、早急に何らかの手立てを打つべきです。
なぜ「地方分散」なのか。
なぜいま「日本列島改造論」なのか。
日本の危機とその処方箋について、大石宗が答えます。
私が生まれたのは昭和55(1980)年ですから、その8年後です。戦後の日本は地方から都市にヒト・モノ・カネを移すことで高度成長を実現しました。日本列島改造論の主目的は、その流れを都市から地方に戻すこと。田中元首相はそれをやろうとし、ある程度は実現したと思います。
ところが半世紀たって、ヒト・モノ・カネの集中は歴史上ないくらい都市に集中しています。この仏在は地方の空洞化を生み、地方の弊は極まっています。地方の底上げによって不貞術を是正する必要があります。
平成29(2017)年に京都大学の広井良典教授が日立製作所と共同でAI(人工知能)を使った日本の未来についてのシミュレーションを行いました。問いは「2050年に日本は持続可能か」です。2万通りのシミュレーションを実施して分かったのは、私達は2通りの未来のうちどちらかを選択するしかないこと、一つは都市集中型であり、もう一つは地方分散型の日本です。それぞれメリット・デメリットがありますが、日本としての独自の価値をもたらし、国民の幸福度を上げるには地方分散型が優位であるとの結果が出ています。
しかもその分技点は2025~2027年であるという分析もあります。現在のわが国の状況を見ると、残念ながら一つ目のシナリオ、都市集中型の国への換が急速に進んでいます。一刻も早く地方分散型に向かう政策誘導を行わないと、地方は再生できなくなってしまいます。
簡単な計算があります。文部科学省の査では、高校を卒業するまでに子供一人にかける費用は平均で2000万円です。高知県から毎年564億円が県外に流出しているのです。徳島県からは令和5(2023)年に2728人の高校新卒者が県外に出ています。金額にすると545億円です。両県を合わせると毎年1千100億円の富が県外流出していることになります。もちろんお金だけの問題だけではありません。懸命に育て、教育した優秀な人材が流出しているのです。県外の大学に行った若者の多くは都市部で働きます。お金と人材が地方から都会に移転しているわけです。かといって都会から地方へのヒト・モノ・カネの流れは十分ではありませんから、地方が疲弊するのは当然です。
田中元首相の日本列島改造論の中心はインフラ整備と地方都市の工業化でした。現代でも例えば四国の8の字ネットワークや南海トラフ対策のような基幹となるインフラ整備は重要なのですが、加えてデジタル化実現のための情報通信インフラの構築、更には人材や企業の地方移転を促す政策の充実、一次産業や観光など地方の資源の磨き上げなど、ハードからソフトまでを多層的に構築することが必要です。
欠かせないのは教育です。道路族、公共事業、というイメージが強い田中元首相ですが、人生で最も力を入れて議員立法に取り組んだのは実は教育です。例えば教科書無償化法案の成立にも取り組んでいます。教育の機会均等と並行して、地方の教育水準を上げる必要があります。教育のために都会に行くのではなく、教育のために地方に行く流れを作らねばなりません。そのためには費用が必要です。地方分散の考え方に沿って教育予算を組む必要があります。
予算だけではありません。例えばふるさと納税です。この制度が完全無欠だとは思いませんが、地方にとっては利用価値が極めて大きいと思います。制度の特徴をざっくりいえば、個人が寄付という形で税金の一部を支払う自治体(都道府県や市町村)を選び、合わせて返礼品(地元産品)を受け取ることができる仕組みです。令和5(2023)年度のふるさと納税額は高知県と徳島県の全市町村を足して年195億円です。ところが須崎市だけで年34億円に達しています。知恵と工夫でふるさと納税額は増やすことができるのです。
私は高知・徳島両県の195億円を約2・5倍の500億円に伸ばしたいと考えています。そのために制度の安定化と整備を進め、市町村や事業者へのサポートを強化したいと思います。
ふるさと納税には元来その目的があります。様々な課題のあった制度を強烈な意志を持って『政治主導』で作り上げたのは、秋田出身の菅義偉元首相です。制度を作った根底にはふるさとに対する切実な思いがあったとのちに述べています。この制度も形としては田中元首相の思想の延長線上にあるわけです。制度があるのだから有効に使うべきだと考えます。
私は44歳で、息子2人を高知で育てています。高知という地べたに両足をつけて生きています。地方には安心安全な食料があります。都会ほど生活費はかかりません。暮らしやすいのです。
国が本気で地方分散、多極型の施策に取り組めば、ヒト・モノ・カネの流れを地方に戻すことは不可能ではないはずです。地方で生きているからこそ地方の未来が見えます。
そして実は、国の将来にとっても地方は大きな可能性を秘めています。
わが国最大の課題は、「潜在成長率」が低いことです。ここ数年は0〜1%で推移していますが、これは世界でも最低水準。この数値は「将来の伸び代」つまり「未来への希望」ですから、期待値をさらに高める必要があります。この数値を上げていく鍵は、働く世代の人口、設備投資、技術革新の3つです。地方は出生率が高く、一次産業など技術革新の求められるフィールドもあります。今後投資すべき条件を備えています。つまり地方再生こそが日本の再生につながるということです。
地方で活動していて痛感したのは、中央、国が変われば、地方は大きく変わるということです。
これからは右や左という時代ではないと思います。田中元首相は日本列島改造論の序文で「水は低きに流れ人は高きに集まる」と書いています。地方から都市へ人が移動していく当時の世相を表した言葉ですが、人はより良い場所を選ぶものだ、という中国の故事成語が出典です。
地方が「より良い場所」として選択される未来を作れるよう、全力で頑張ります!
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